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11.32020
エベレスト街道3パストレッキングへの挑戦!0日目(カトマンズ)
【プロローグ】
世界一高い山「エベレスト」(8848m)を一度は見てみたいという思いを持っている山好きの方は少なくないのではないでしょうか?
私も山岳小説や漫画、テレビ、映画などでエベレストやヒマラヤ山脈のことを読んだり見たりしては、一生に一度でいいからヒマラヤに行ってみたい、エベレストを見てみたいと漠然と思っていました。
そうはいっても遠い海外、長い日程、高山病の心配など沢山のハードルがあり、具体的な計画に移すことなく長い間ただの憧れとして自分の奥底でゆっくりと温め続けていました。
2018年にゲストハウスアサヒカワライドをオープンした途端に私の人生は突如として国際的なものへと変貌しました。東アジア、欧米を中心として世界各国からのお客さんが北海道観光の拠点としてアサヒカワライドを利用してくれるようになりました。
特に繁忙期である6月から9月の夏シーズンは沢山のお客さんが大雪山登山やサイクリングなどのアウトドアスポーツのために世界中からアサヒカワライドに泊まりに来てくれました。
私自身が登山や自転車をやることもあり、そういったアウトドア好きなお客さんとは特に話が弾みます。
2019年春には仲良くなった台湾人のお客さんに会うために自転車での台湾一周旅行をしてきました。
2019年9月にアサヒカワライドに来た2人のベルギー人サイクリスト達は、旅の途中で足を痛めていたことから連泊し、自転車や旅の話で盛り上がってすっかり仲良くなりました。
そのうちの1人のギョームはネパールでNOMAD'S LANDというトレッキングガイド会社を経営しているとのことでした!
いつかヒマラヤトレッキングに挑戦してみたかったことから、ギョームからオススメのコースや所要日数、必要な装備、費用などを聞いているうちに、はるか遠くに感じていたエベレストを見るという夢がかなり現実的なものに感じられるようになりました。
ギョームがオススメとして紹介してくれたのが「3パス(Three Passes、3つの峠)トレッキング」でした。
エベレストを見に行くのに最も一般的なのはエベレスト街道といわれるルートで、出発点の街ルクラから主に谷間を通ってクーンブ氷河にあるエベレストベースキャンプ(EBC)までを往復するルートであり、高地順応の含めて一般的に10日から2週間ほどかかります。
それに対して3パスは、エベレスト街道を途中で外れて、コンマラパス、チョラパス、レンジョラパスという3つの5000m級の大きな峠を越えながら周遊するルートであり、距離が長いだけでなく高く険しい峠越えもあるとてもハードな約3週間程のルートです。
3パスルートの最大の魅力は3つの大きな峠やルート沿いにある丘からの絶景にあるということです。
世界最高峰のエベレストとその隣に聳える世界4位のローツェ Lotse(8516m)だけでなく、5位のマカルー Makalu(8481m)や6位のチョ・オユー Cho Oyu(8201m)がエベレスト街道からは見えない角度でとても綺麗に見えるだけでなく、山野井夫妻が雪崩から生還したことでも有名な世界15位のギャチュンカン Gyachung Kang(7952m)の勇姿を望むことができるそうです。
山野井夫妻の生還については沢木耕太郎著の「凍」で読んでおり、ギャチュンカンには畏れと憧れを持っていたことから、特に見てみたい山の一つでした。
私がいつかヒマラヤトレッキングに行くときには3パスに挑戦してみようと心に決めました。そしてギョームとはその際に再会することを約束しました。
彼らが帰ってから数日後、大学のころからの友人のZ君が久々に私のところに遊びにきました。彼とは同じ大学寮で学生時代を過ごし、卒業後も時々登山やスキーをしておりました。
その彼が来年大きな休みが取れるので、一緒にエベレストベースキャンプに行かないかと誘ってきたのです。
ギョームとの出会いにより近いうちにネパールには行きたいと思っていたのですが、まさかそのすぐ後にこんな誘いがかかるとは!これはネパールに呼ばれているに違いない!
Z君にギョームから教えてもらった様々な情報を伝えたら、その場で翌年、2019年秋に3パストトレッキングに挑戦することとなりました。
そうと決まればその後は山小屋泊まりを想定して一年間布団ではなく寝袋で寝る、「神々の山嶺」や「岳」、「エベレスト3D」等のエベレストやヒマラヤ関係の小説や漫画、映画を見まくるといった全くもって血のにじまないような努力を続け、一年後のエベレストトレッキングに備えました。
【カトマンズKathmandu(1400m)へ】
2019年10月下旬。新千歳空港から旅立ち、仁川国際空港で乗り換えた大韓航空機は針路を西南西に取り、上海・武漢・昆明上空を通ると、ミャンマー上空で針路を西北西へと変えました。
10月下旬のユーラシア大陸東部は乾期のはずであり、上空から眺める大陸の風景を楽しみにしていたのですが、上海上空からミャンマー上空まではほとんど雲に覆われており全くといっていいほど景色をみることはできませんでした。
この時期は雲が少なくヒマラヤトレッキングには最適の時期と聞いていたのですが、一抹の不安が胸をよぎります。
ところが、バングラディシュを過ぎたころから少しづつ雲間から景色が見えるようになってきて、地上にはガンジス川河口部のデルタ地帯が、雲間からは時々遠くヒマラヤの高峰が見えるようになってきました。
そこから北上しインドとネパールの国境を越えるころから、ヒマラヤの高峰がはっきりと認識できるようになってきました。
スマホアプリのPeakFinderを使って山座同定をしてみると一際高く見える山が世界第3位の高峰カンチェンジュンガ Kangchenjunga(8586m)のようです。
ネパール国内に入ると進路を西に変え、カトマンズを目指します。右手には雲間からヒマラヤの山々が見え隠れしており、テンションは上がりっぱなしです。遠くにはエベレストやローツェらしき山々も見えました。
間もなくカトマンズの空の玄関トリブバン国際空港に到着しました。トリブバン空港は新千歳空港や仁川国際空港と比べるととても小さいかったです。
ビザについては2019年10月時点では事前にネットで書類を作成したものをもって到着時にカウンターで取得できたのですが、現在はコロナの影響で在日ネパール大使館で事前に取得しなければならなくなったようです。
入国手続を済ませたら空港を出る前に両替とSIMカードの購入をしました。
ネパールではNTC(ネパールテレコム)とNcell(エヌセル)という2つの大きな通信会社があり、都市部ではNcellが強くNTCは田舎に行っても繋がりやすいと言われています。
エベレスト街道での通信状況については良くわからなかったので比較のために私がNTCでZ君がNcellを購入することにしました。
ネパールの通信事情については以下の記事を参考にさせていただきました。
「ネパールの携帯SIMならNcellがおすすめ!リチャージ方法も徹底解説!」
今夜の宿泊はギョームが住むBoudhanath(ボダナート)にあるHotel Little Buddha Innというホテルです。お湯のシャワーが出て綺麗な中庭もありなかなか快適でした。
Boudhanathにはネパール最大のストゥーパ(仏塔)があり、チベット仏教の主要な巡礼地となっています。
ストゥーパ前でギョームと一年ぶりの再開を果たし、その後一緒に夕食に行きました。
夕食はギョームがさすが地元民といった感じで観光客があまり行かなそうなローカルな食堂に連れて行ってくれました。
さすがはBoudhanath、ネパール料理というよりチベタン料理といった感じでシェルパシチューやモモ(ネパール風餃子)などがとても美味しかったです。
ひとしきり食べたあとはホテルに帰り翌日からの準備をしたあと、早めに寝ました。
コメント
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It’t so awesome you did this! Seeing Everest is on my bucketlist, but I am not sure I will have the endurance for multi-day hikes and high altitudes! Will read all your Everest entries!! 🙂
Thank you for the message. I’m glad you enjoyed the blog. I also enjoy writing blogs.